
ゆあんの想い
代表取締役
平澤 幸憲
代表インタビュー
―業界と関わることになったきっかけは?
中学2年生での三者面談で、先生から「どこの高校へ行きたいの?」
と聞かれ、返答したのは「高校って何ですか?」でした。
今考えると、すごい返答をしていますが母親が中卒であったため
それ以上の教育について、家庭で教わる機会がなかったと思います。
中学校では、美術部、そして今も続けている吹奏楽部へ入部し、吹奏楽に明け暮れていました。
高校は商業科へ入学し、卒業後名が通っている会社に勤めたいと、その時代では地元で有名だったホテルへ就職。
ただ、給与が安いという理由で4年で退職。手取り9万円でした。
退職後、すぐに就職できると簡単に思っているも、連続一機に23社の面接を落ち続けていました(;^^)
それでも何かしらご縁があって、病院の医療事務や、菓子営業、他の職業も含め、転職を繰り返していました。
仕事で嫌な事があったり、何かしらの壁があると直ぐに逃げていた人生でした。
28歳で、その時勤めていた会社の社長と喧嘩し、また辞めることになりこの先このままではだめだと、資格を取ろうと思いました。
昔、病院へ入院した時に担当してくれた看護師が男性であった事や、医療事務のときに受診後や退院の患者さん、ご家族から「有難う」「助かりました」等というお言葉をかけられる事が多く
「看護師って分からないけれど、看護っていいな~」と思っていました。
で、看護師になってみよう! と思いましたが、受験はさすがに無理かなと考えていました。
知り合いの看護師に相談したところ
「ダメ元で学校を受けてみたら」と言われ、受けるだけ受けてみようと看護学校を受験しました。
1回目は不合格。第二次募集にも応募し、再度受験にチャレンジし、28歳で合格。
その時代は、学校からの配属制だったので、地元の精神科病院で勤務していました。
何度も辞めたいと思う場面はありましたが、何とか2年通い続け、30才で准看護師資格を取得することができました。
そこから正看護師を目指し、日中は病院で仕事、18時から看護学校。週末は夜勤を毎週行うというのを3年間続けました。
そして、看護国家試験を受け、33才で正看護師資格を取得しました。
医療の世界へ飛び込んでから 人生が変わったと、つくづく思います。
看護学校では、とても苦しく大変な日々でしたが、学ぶ事が楽しいと思わせてもらいました。
―なぜこの事業を始めたのですか?
精神科看護師時代の病棟で退院支援をしている時 患者さんの住む場所を探しても、ほぼ断られる事が多かったんです。
精神科の人って「何かしでかすんでないの」「危ないでしょ」「暴れるんじゃないの」と。
退院可能で、地域で暮らせる方がいるのに、暮らせない。こんな悔しい思いはない。
それなら私が、この方々の住む場所を作りたい! と思ったのがきっかけでした。
周囲に、起業しようと思うと話しても「よくやろうと思うね」「そんな借金してどうするのさ」と言われていましたが、
たくさんのご縁から協力を得て『株式会社ゆあん』を設立しました。
そして訪問介護・有料老人ホームを始めました。

―個人、または会社として最も大切にしていることはなんですか?
”結ばれたご縁を大切に育みながら、感謝の心で対応する” をモットーに
利用者様一人ひとりに向き合い、心のこもった質の高い介護・看護を提供したいと考えています。
「ゆあん」では、「お疲れ様です」は使わないんです。
自分の家で「お疲れ様です」とは言わないじゃないですか。
スタッフにとっては職場なんですが、入居者さんにとってはここが自分の住まいなわけで、住まいの中で「お疲れ様です」はとても違和感を感じるんです。
朝、会った時には「おはようございます」、昼なら「こんにちは」、帰るときには「また明日ね」と。
アットホームな雰囲気にしていきたいという想いから、制服ではなくみんな私服で働いています。
楽しい時は大声で笑っていいし、入居者さんとどんどんおしゃべりしてほしいです。
入居者さんに「ここって、ホッとするね」って言ってもらえるようなケアをしてください、と常々スタッフに話しています。
―自社の魅力は何だと思いますか?
働くみんなが、協力し合えていると感じます。
あと、みんな笑顔がステキで、福祉が大好きです。
責任感をもって対応しているのが見ていると伝わってきます。
うちで長く勤めている人は、「入居者さんと関わるのが楽しいんですよ」って言ってくれます。
あまり笑わない入居者さんが笑ってくれたとか、「いつも有難うね」って言ってもらえたとか、そういうところに喜びを感じているみたいで。そういう価値観の人が入ってきてくれたら、きっとうまくやっていけると思います。
―仕事をしていて一番大変な事と一番の喜びを教えてください
「大変って何かな~」と思ったりしています。
たぶん私は仕事が趣味になっているので、大変とは感じてないです。
仕事は全てマイナスには捉えません。スタッフが笑顔で働いている姿を見れるのですから。
―スタッフにはどういう思いを持っていますか?
日々の生活の中に感動を見出して欲しいし、変化を楽しみ、進化していって欲しいです。
入居者さんとの触れ合いやご家族との対応などで学ぶことも大いにあると思います。
いろいろ学んでほしいという気持ちから、毎月勉強会の機会も設けています。
他責にはならず、自責で働いてほしいといつも思っています。

―休みの日は何していますか?
吹奏楽をしています。毎年の招魂祭では音楽大行進へ参加しています。
あと、甘いものが好きなので、パフェを食べたりしています。
―会社の「これから」について教えてください
実は私、10年程前に大型トラックとの正面衝突事故にあったんです。
車は一瞬にして廃車になったんですが、幸い重症ではあるものの、大事には至らなかったんです。
それから自分は生かされているなと感じ、たくさんのご縁が繋がって今があります。
そんな私と関わる皆さんがハッピーになれるよう、勤めていきたいです。
また最近は、多様性という言葉を耳にすることが多くなったと思います。
私は、障がい・人種などの壁を越え、ごちゃまぜな世界が当たり前の世界にしたいと思っています。
そういう環境作りをこれからも進めていきます。
―採用を申し込むか悩んでいる方にひとこと
よく新人の子が「何を話したらいいのかわからない」と言うのですが、
「普通の話でいいんだよ」と伝えます。
「昔、どんな仕事してたんですか」とか、「お子さん何人いるんですか」とかね。
好きになった人なら興味を持っていろいろと知りたくなりますよね。そんな気持ちで接してくれればいいんです。
スキルや知識、経験の有無とか、いろいろと要素はありますが、結局は人柄です。
経験があるがゆえに、逆にそれが邪魔になることもあります。「前の職場では…」といってやり方を変えようとしない人もいましたが、それなら前の職場を辞めなければよかったのに…って思います(笑)
経験のある人とない人がバランスよく混ざり、お互いに刺激しあって伸びていける。それが理想の職場だと考えています。
今まで仕事を頑張ってきたけど、なんか報われなかった、悔しかった──。
ゆあんで変わると思います。
それは、ゆあんには仲間がいるから。